2018-6-1
畳のへこみは自分で直す!簡単方法と賃貸住宅の責任負担について解説
畳の上に家具を置いている家は多いです。畳はフカフカしているので跡が残りやすく、久しぶりに家具を移動させてみたら、畳がへこんでいた!とショックな経験をした方もいるのではないでしょうか。しかし、跡がつかないように、こまめにタンスやテレビを動かすとなると大変な作業となります。
そこで今回は、ついてしまったへこみ跡を自分でできる直し方や、賃貸住宅の畳のへこみの原状回復についてなど気になる情報をお伝えします。畳のへこみで困っている、諦めているかたはいちどこちらを読んでみてください。きっと役に立つでしょう。
畳がへこんだ。直し方を教えて!原因と予防についても解説します
フローリングでは気にならなかった畳のへこみ、いつのまにか跡がついていることがあります。一度ついてしまった畳のへこみ跡は、元に戻すことはできるのでしょうか。ここでは、自分でおこなう直し方や、畳のへこみの原因と予防について説明します。原因と予防策を知れば、へこみ跡にショックを受けることもなくなるでしょう。
畳のへこみの原因とは?
畳のへこみの原因は、重たい家具が柔らかい畳の上に乗ることで、重量が圧縮されることにあります。
タンスやテレビといったあまり普段動かすことがない重たい家具は、長い月日をずっと同じ箇所に重さをかけられています。そのため、その重さによって畳がその形にへこんでしまうのです。また、家具本体はそれほど重くないけどへこみ跡がつくことがあります。それは椅子や机です。
動かすことが多い来客用の机や、比較的軽めの折り畳み式の机と椅子は、足が細く重さがピンポイントでのしかかるため、へこみの原因となるのです。そのため、家具の重さが全てのへこみの原因とは言えないでしょう。そして、単純に床材が原因の場合もあります。
湿気で腐っている、シロアリに食べられている、経年劣化による床材の損傷などによりへこむ原因のひとつです。その場合は、小さなへこみ跡というよりは、大きな範囲で傾いており、足で踏むとギシギシ空洞音などするので損傷しているのが原因だとわかりやすいでしょう。
自分でできる直し方
上述したように、重い家具やピンポイント重量の椅子などによるへこみであれば、初心者でも簡単に直すことができます。直し方をご紹介しましょう。
◇用意するもの
◇手順
- ①へこんでいる箇所に霧吹きで軽くシュッシュッと吹きかけましょう。たくさんかけてベタベタにする必要はありません。小さな範囲であれば2~3回でじゅうぶんです。
- ②タオルや雑巾を濡らして、硬く絞ってください。そのタオルをへこんだ箇所にかぶせます。
- ③タオルの上からアイロンをあてましょう。※スチームアイロンを使用するときは、タオルを使用せず、直接スチームをへこんだ箇所へあてることでも直せます。
- ④完全に乾かすために、ドライヤーをあてて作業完了です。
◇注意点
必ず最後にドライヤーでしっかり乾かしてください。畳は湿気に弱いので、すぐにカビが生えてしまいます。カビが発生しまうとせっかく自分でへこみを直しても、カビのおかげで畳を取り換えることになるので注意しましょう。また、アイロンやドライヤーによる、熱で畳が変色することがあります。長時間連続の使用はやめて、様子を見ながら作業するとよいでしょう。
◇改善される理由
なぜこの作業でへこみが改善されるのかというと、畳の素材であるイグサの特性に秘密があります。水分と熱を加えられると、イグサは膨張します。そして、その膨張を利用してへこみを修復されるのです。いかがでしょうか。用意する道具はご自宅にあるものばかりで、手順も難しくないので簡単にご自分でへこみを修復してみましょう。
しかし、これはへこみの修復なので色までは戻りません。長く家具を置いていると、その場所だけ畳の色が若いことがありますが、この色の違いは日焼けなので上記の方法では修復できません。そのため、色がその部分だけ若いのが嫌な方は畳自体を張り替えされたり、裏表をひっくり返したりするとよいでしょう。
もうへこませない!予防法
へこみの直し方がわかったところで、次は、最初からへこませないために畳の上から何か敷いておくとよいでしょう。どんなものを敷くとよいのかをご紹介します。
・カーペット
畳全体に敷いてしまったら、せっかくの和室の意味がなくなってしまいます。ラグのような小さめのものを用意し、机や椅子の下に敷くことでへこみ跡がつきづらくなります。
・足用座布団・防振マット
机や椅子の足に小さな座布団や防振マットを取り付けます。100均でもあるので安くしあげるにはおすすめです。
・コルクマット・チェアマット
広い範囲の家具から畳のへこみを守るための商品です。チェアマットの場合、キャスター付きの椅子だと動き回るため畳へのダメージ範囲が大きくなります。このようなときにチェアマットを敷いておくと、動いても安心です。他にもこのような商品が、いろいろあります。座布団だと、畳部屋に違和感がなく、畳でできた座布団も売られています。ちょっとしたインテリアとして、ご自分の好きなへこみ防止マットを選ぶと楽しいでしょう。
【賃貸住宅】現状回復の費用負担は誰がするの?

賃貸住宅では、退去するときに「原状回復をする」義務があります。しかし、原状回復とはどこまでのことをいうのか、畳に関しては誰の責任になるのか、費用はいくらほどかかるのか、といった問題で管理会社とトラブルになることもあります。ここでは部屋の原状回復について説明します。
原状回復について
入居する契約時に、敷金を払うことがあります。通常は、この敷金から退去時の原状回復費が支払われます。しかし、どこまでが支払い範囲になのかという点で貸主と借主がトラブルになることが多く、このようなトラブルが起こらないように政府によるガイドラインが作られたのです。裁判所の考え方では「建物の通常生活をおくる上での損傷ではなく、借主の故意による劣化の回復」としています。
詳しくその内容を説明すると、長く住めばそれだけ経年劣化をするのでしかたない。そのため、生活している上での経年劣化は含めずに、通常の生活以上の損傷や故意による損傷のみ回復費の支払い義務があるということです。つまり、原状回復とはあくまでも故意による、通常生活以上の損傷を指すということなのです。
畳のへこみは原状回復にあてはまる?
家具による畳のへこみ跡は通常生活の範囲に入るので、借主負担になることは少ないです。しかし、子供が故意に畳を傷つけたり、家具を設置するときに傷つけたりしたとなると原状回復の範囲になることもあります。畳の張り替え費用などが借主負担になることがあるので気をつけましょう。
畳の原状回復費用は高い?
借主の故意による損傷と判断され、畳の張り替えた場合、いくらほどかかるのでしょうか。畳には質や素材によって値段も変わりますが、賃貸住宅で国産の最高級品を使用することはあまりないでしょう。そのため、そこまで高額な費用となることは少ないです。
そして、張り替え値段は、畳の枚数で変わります。4畳の部屋より6畳の部屋のほうが値段は上がります。畳には、裏返しと表替えがあります。最初は表を使用していますが、古くなれば裏を返して使用します。そして、裏も古くなれば新しい畳に変える表替えです。当然、裏を返すだけの裏返しのほうが安くなります。
ひどい状態のときは思い切って張り替えましょう

畳のへこみの直し方について、お伝えしました。でもへこみがひどく、お伝えした方法でも直らないときや損傷が激しいときは、裏返しか張り替えをしましょう。
張り替えは自分では難しい。プロにまかせよう
「張り替えは難しくても裏返し程度なら…」と考えるかたもいるでしょう。裏返しは、畳を持ち上げて裏を返すだけと思われがちですが、職人技が必要なこともあります。畳は、土台である畳床とゴザを糸やイグサで固定しています。これを外して、裏返してからまた縫い付けるのは素人には難しいでしょう。
張り替えも同じことです。サイズもあり、畳を新調するということは、土台もゴザもすべて取り換えるということです。そのため、畳の裏返しも張り替えも、プロにおまかせしましょう。
畳の専門業者の選び方
・資格があるか畳制作技能士という国家資格があります。これは簡単に取得できる資格ではありません。資格がなくても畳の張り替えをすることは可能ですが、資格があるかどうかでも判断基準となるので安心できるでしょう。
・知識があるか
知識が豊富で、実績がある業者を選びましょう。畳のことに詳しく、アドバイスをしてくれるような業者だと頼りになるでしょう。依頼後の畳のメンテナンス方法なども教えてくれる業者もあります。
・見積書が明確である
2~3社から見積もりをとって相場を知ることが大切です。そして、見積り書の内容が明確に記載されているかチェックしましょう。いくつかの業者を比較することで、費用の相場が分かるでしょう。そして、どのような畳を何枚使うのか、最低でもこのあたりは知っておくとよいでしょう。追加費用が掛からないことも確認しておくと、安心できます。
まとめ
畳にへこみ跡がついても、自分で直すことができます。模様替えをして、へこみを発見したら上記で説明した方法を試してみるとよいでしょう。へこみの原因もわかったので、次からは防止もできます。防止するグッズもあるので、畳を張り替えたらぜひこの記事を参考にしてきれいな畳を保ってください。
それでもへこみが気になり、汚れや畳の状態が悪いときは、新しくすることも検討してみましょう。また、賃貸住宅での原状回復についてもお伝えしました。生活していく中でのへこみや傷は原状回復には含まれません。しかし、故意によるものだと修繕費用が発生することがあります。借りているもの・いつかは返すもの、という意識をもって丁寧に扱いましょう。
バックナンバー
- 原状回復と負担すべき費用・割合とは!正しく対処するための基礎知識
- 原状回復クリーニング|どこまでが借主の義務なの?支払い義務・費用
- 畳のへこみは自分で直す!簡単方法と賃貸住宅の責任負担について解説
- 原状回復とは?貸主・借主の負担範囲とトラブル回避法
- 賃貸物件における原状回復はどこまでが必要?
- 公営住宅の原状回復
- 分譲住宅では原状回復の線引きを特にしっかり!
- 分譲住宅では原状回復の線引きを特にしっかり!
- 賃貸物件における壁紙
- オフィスの原状回復
- 喫煙による汚れの回復
- 「経年劣化」も原状回復に含まれることがある?
- 原状回復トラブル事例
- DIYで余計な経費がかかってしまう場合も
- 付帯設備などの交換を必要とするかどうか
- 原状回復を行う範囲を見直す
- 事業用賃貸ならではの注意点とは
- 戸建て住宅の原状回復
- もしも壁紙を汚してしまったら
- 契約書をよく確認しておきましょう
- アフターフォローについても確認しておきましょう
- 原状回復か、現状回復か
- 知人からの紹介でも
- 特約が無効になるケースもあります
- 原状回復工事は誰が依頼する?
- 飲食店の原状回復
- テナントビルの原状回復に要注意
- 善管注意義務を怠らないように
- 入居時に確認すること
- 経年劣化と故意の棄損
- 店舗の原状回復をする手順
- 線引きはしっかりとしましょう
- お部屋だけではない原状回復
- 次借りる人の気持ちを考えましょう
- どうしてトラブルが起きるのか
- 空き部屋解消のために
- ペット可の賃貸物件での原状回復
- 入居者に有利な場合が多いです
- 日頃のお掃除で費用の負担を減らしましょう
- 気になる原状回復のガイドラインとは
- 原状回復を理解して気持ち良く退去しましょう
- 原状回復で元通りにしましょう
- 入居時に考える原状回復
- 納得のいく原状回復を行うには?
- 原状回復はどこまで入居者がやるべきなのか
- 入居時の確認も重要です
- 原状回復業者の選び方
- DIYを楽しむには注意が必要です
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- 原状回復におけるトラブル
- 原状回復のガイドラインとは
- クロスの張替・修繕に関する考え方
- 原状回復における経年劣化について
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- 原状回復のガイドラインをご存知ですか?
- 軽飲食、重飲食のテナントの場合
- 一括系サイトを利用してみましょう
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- 目的は、明確に伝えましょう
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